伝統の土佐打刃物、梼原の匠鍛冶「影浦工房」
南予や高知の道の駅でよく見かける土佐刃物。興味はあったのですが、なかなか敷居が高くてずっと手を出せずにいました。が、ブログを読んで下さった方からよいお店情報をいただき、初めて土佐刃物のお店に行って参りました。
ということで今日は、高知は梼原の28代目野鍛治、職人歴50年以上の影浦氏が鍛錬した伝統の土佐打刃物「影浦工房」をご紹介いたします。
場所
28代目野鍛治、影浦賢氏が鍛える土佐打刃物「影浦工房」
静岡は伊東の刃物屋さんで買ったコバルト鋼をステンレスでサンドイッチにした5千円くらいのものを10年以上使ってましたが、刃こぼれも多くなり、自己流の研ぎではだいぶ切れなくなってきました。
道の駅でよく目にする土佐刃物の包丁に興味があったりしたのですが、なんとなく道の駅の店番のおじさんたちはおいそれと声をかけられない雰囲気で…。
よく分からないので、また静岡のお店のネットショップで同じものを買ってしまったりと、面白味のない包丁生活(?)を送っていました。
が、そんな時によいお店情報をいただいたので、行って参りました!(Nさん、どうもありがとうございました~(^^)/)
伺ったのは梼原にある手打ち刃物の匠のお店、影浦工房。現在の工房の主、影浦賢氏は28代目。一代約20年としても約560年の野鍛治の歴史を持つ伝統の工房です。
こちらのケースにはアラビアンナイトの「アリババと40人の盗賊」にでも出てくるような「剣鉈(けんなた)」が並びます。
写真ではうまく撮れてないのですが、ダマスカス模様と呼ばれる鉄と鋼を鍛錬した時に出てくる独特のマーブル模様をまとった、ものすごい分厚い刃物たちがケースの中でピカピカに光ってます。
「果物ナイフが欲しいのですが、この小さいのがそうですか?」と、刃物に詳しくない私は畏れ多くもそんな質問をしてしまい、
「いえいえ、うちでは果物ナイフは扱ってません。これは山に入る人たちが猪とか鹿とかそんなんを相手にするものですよ。」と店番担当の奥さんに笑われてしまいました!(^▽^;)。
このような美しくてかなり切れる剣鉈は影浦さんしか鍛えられないそうで、2002年に土佐の匠に認定された影浦さんの刃物のファンは、地元高知だけでなく日本全国にいるんだそう。
ちなみに私が聞いた左から3番目の小さいナイフ、こちらは30万円也!(^▽^;)
剣鉈は数十万円台~と、かなりお値段がはりますが人気のお品とのこと。お客さんの手の形に合わせた完全オーダーメイドのものは、オーダーしてから完成までに数ヶ月から数年待たなければなりませんが、根強いファンの方々がいらっしゃるそう。
お客さんに合わせたモノづくりと言えば、影浦さんのお父上、27代目の影浦冨吉氏は、” 打つ鍬ひとつひとつを、使い手の身長、体力、利き腕、その人の持っている耕地の傾斜や土質にあわせて(!)大きさ、ヒツの具合、鋼ののせ加減、焼き入れ具合などをこまかく調整して鍛造する”という、使い手の体の一部のような道具を作ることができる伝説の野鍛治として有名な名人だったのだそうです。
こちらが普通(?)の包丁が並ぶケース。
ちょうど、私のような料理上手でない主婦でも使えそうなアウトレットの小包丁があるとのことで見せてもらいました。
少し傷がついてしまったけど、使用には問題ない包丁がアウトレット品としてたまに並ぶんだそう。そしてアウトレットにも出せない傷モノは、もう一度溶かして打ち直すとのこと。
結局、ダンナも欲しいと言い始め、船行包丁¥20,000とアウトレット小包丁¥5,000をいただいてきました。(小包丁の傷は裏側のため、この写真では全く分かりません)
現代の名人が鍛錬した本物のダマスカス模様を持つ包丁。
一生モノです。大事にしますっ。
ちなみに影浦さんの匠の包丁は、カナダにも輸出されておりカナダでも人気なのだそうです。
↑ここのお店でMasakage シリーズとして扱われているらしい。
ちなみにちなみに、このお店のスタッフ写真、代表のKevin氏はまあ普通の写真なのですが、他の方たちはかなりテンション上げて撮ってるのか、もともとそういうキャラなのか?…けっこうコワイ…。(^^;)
特にEdmonton店の店長、これで刃物とか売ってていーんだろうか??( ̄▽ ̄;;
自家焙煎珈琲「FLAG」
目当ての包丁を手に入れたので、「coffee FLAG」でひと休み。
ダンナはマンデリン、私はマスターおすすめのブラジルナチュラル(?だっけ?)を。
Uターンのマスターご夫妻が梼原に戻ってこちらのお店を始めて早5年なのだそう。
落ち着いた店内にはコーヒーのいい香りがたちこめていて、ケーキも自家製。美味しい一杯でした。
【スポンサーリンク】
今日はここまで!です。読んで下さってありがとうございました。(^^)/
よろしければポチっとしてください!